社会情動的スキルとは

近年,学力テストや知能検査などで測定される力と,動機づけや共感性など,学力テストや知能検査では測定されない心の性質の大きく2つの側面から,私たち人間の持つ力が整理されています。前者を総称するものとしては認知能力,あるいは認知的スキル,後者は非認知能力や社会情動的スキル,社会情緒的能力,社会情動的コンピテンシーなど,様々な名称が用いられています。本研究拠点では,OECD (2015) に基づいて,認知的スキル(Cognitive Skills)と社会情動的スキル(Social and Emotional Skills)の名称を用いています。

OECD (2015). Skills for Social Progress: The Power of Social and Emotional Skills. OECD Skills Studies, OECD Publishing, Paris. https://doi.org/10.1787/9789264226159-en.

研究拠点の目標

OECD (2015) は,社会情動的スキルを「目標の達成」「他者との協働」「情動の制御」の3つの側面から捉えています。これら3つの側面に関わるスキルは,将来の学力や心身の健康,就業状況などを予測することから,学校教育の中で育成していくことの重要性が指摘されています。

そこで本研究拠点では,①将来の学力やウェルビーイングなどに対する社会情動的スキルの影響,②それらのスキルの発達的変化,および学校教育における育成方法を明らかにすることを目指します。